電気自動車のバッテリーは、家庭用蓄電池の数倍の容量があります。すでに車をお持ちなら、大きな蓄電池がすでに家の前に停まっている、とも言えます。
V2Hとは何か
V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車に貯めた電気を住宅側へ戻せるようにする機器です。通常の充電器は車へ送るだけの一方通行ですが、V2Hは双方向に流せます。
やることは単純です。昼に太陽光で車を充電し、夜にその電気を家で使う。この運用が回れば、電力会社から買う量をかなり減らせます。
容量の桁が違う
家庭用蓄電池が5〜15kWh程度なのに対し、電気自動車の駆動用バッテリーは車種によって40〜80kWh程度あります。
停電時の備えとして見ると、この差は大きく効きます。冷蔵庫・照明・通信に絞れば、車1台で数日分をまかなえる場合もあります。数年に一度の災害への備えとして、車をそのまま活かせるのは合理的です。
補助金の状況(2026年9月時点)
2026年度の国のV2H補助(CEV補助金)は、個人宅・マンション共用部で最大130万円まで拡充されました。かなり手厚い内容です。
ただし、2026年8月27日に到着した交付申請をもって受付を終了しています。いま契約を進めても、国の補助は使えません。
自治体の補助が残っている場合もありますが、V2Hの導入をお考えで、かつ補助金を前提に収支を組んでいるなら、次年度の公募を待つという判断があり得ます。これは私たちにとって受注が先送りになる話ですが、お客様の負担額が数十万円変わるので、隠さずお伝えしています。
導入前に確認しておきたいこと
- お持ちの車が対応しているか — すべての電気自動車がV2Hに対応しているわけではありません。車種と年式で確認が必要です
- 設置スペース — V2H機器は屋外に設置します。駐車場所とケーブルの取り回し、分電盤までの距離を見ます
- 車の使い方 — 日中に車で出かけることが多いご家庭では、昼の太陽光を車に貯められません。在宅時間と車の使用パターンが噛み合うかどうかが要点です
- 停電時にどの範囲を使うか — 蓄電池と同じく、全負荷か特定負荷かで工事内容と費用が変わります
- 車を手放したあと — 車を売却・買い替えした場合、次の車が対応していなければV2Hは使えなくなります
オール電化との組み合わせ
給湯(エコキュート)・調理(IH)・空調まで電化すると、発電した電気の使い道が増えて自家消費率が上がります。ガスの基本料金がなくなる分も含めて、お見積の中で試算してお見せします。
ただし電化にはまとまった初期費用がかかります。給湯器の交換時期が近いご家庭なら、そのタイミングで検討する価値があります。まだ数年使える設備を無理に入れ替える必要はありません。
補助金の受付状況は年度・予算枠によって変わります。本記事は2026年9月時点の情報です。最新の公募状況は次世代自動車振興センター(CEV)および各自治体の公式サイトでご確認ください。