補助金の記事は「いくらもらえるか」から始まるものが多いのですが、実務でつまずくのは金額ではありません。順番です。ここを間違えると、条件を満たしていても1円も受け取れません。
いちばん大事なこと:契約より先に申し込む
東京都の助成金は、原則として機器設置の契約を結ぶ前に事前申込を済ませておく必要があります。「工事が終わってから申請すればいい」と思って契約書に判を押してしまうと、その時点で対象外になります。
私たちがご契約を急かさないのは姿勢の問題でもありますが、実務上も理由があります。補助金を使う場合、急いで契約するとかえって損をするからです。
2026年度(令和8年度)の東京都の助成金
2026年9月時点で公開されている内容です。
- 太陽光発電(既存住宅):最大15万円/kW
- 蓄電池:10万円/kWh、上限120万円/戸(新設)。増設の場合は上限72万円/戸
蓄電池の単価は前年度の12万円/kWhから見直されています。一方で予算規模は約702億円から約1,012億円へと大きく増えました。単価は下がったが枠は広がった、という年です。
「単価が下がったから急いだほうがいい」という営業を受けることがあるかもしれませんが、枠が増えている以上、慌てて容量を決める理由にはなりません。容量は補助金の額ではなく、ご家庭の使用量から逆算して決めるものです。
区市町村の上乗せは、必ず自分の自治体で確認する
都の助成に加えて、区市町村が独自に上乗せしている場合があります。両方を使えれば負担はかなり軽くなります。
ただし制度は自治体ごとにまったく違い、年度で変わります。たとえば世田谷区は2026年度から太陽光発電システムと蓄電池を助成の対象外としました。昨年度の情報をそのまま信じると、当てにしていた金額が消えます。
「〇〇区なら合計100万円以上」といった記事は多いのですが、鵜呑みにせず、お住まいの自治体の公式ページでその年度の要綱を確認してください。私たちも現地調査のときに、その時点で使える制度を一緒に確認します。
国の制度は、締切のタイミングに注意
国の制度は予算枠に達すると年度途中でも受付を終了します。2026年度のV2Hに対する補助(CEV補助金)は個人宅で最大130万円まで拡充されましたが、2026年8月27日到着分をもって受付を終了しました。
V2Hを検討していて、いま急いで契約しても国の補助は使えません。次年度の公募を待つという判断があり得ます。この種の話は、営業する側にとっては都合の悪い情報ですが、お客様の収支には直結します。
住宅の新築・省エネ改修については、子育てグリーン住宅支援事業の後継として、ZEH水準住宅・長期優良住宅・GX志向型住宅への支援が続いています。太陽光単体ではなく住宅全体でお考えの場合は、こちらも併せて確認する価値があります。
順番のまとめ
- 現地調査を受け、容量と概算費用を出す
- その時点で使える都・区市町村・国の制度を確認する
- 必要な事前申込を済ませる
- その後に契約する
- 工事・連系のあと、実績報告を提出する
面倒に見えますが、申請書類の準備は私たちがお手伝いします。お客様にお願いするのは、押印と本人確認書類くらいです。
本記事は2026年9月時点で公開されている情報をもとにしています。補助金の要件・単価・受付期間は年度途中でも変更されます。ご検討の際は、東京都およびお住まいの区市町村の公式サイトで最新の要綱をご確認ください。