10年間の固定価格買取が終わると、売電単価は一気に下がります。ただ、これは「損をする」という話ではなく、電気の使い道を選び直す時期が来たという話です。
まず、いくらで売れるのかを知る
2026年時点で、大手電力会社の卒FIT買取はおおむね7〜9円/kWhが中心です。東京電力エナジーパートナーは8.5円/kWhとなっています。
一方、新電力に売り先を変えると10〜12円台になる地域が多く、東京電力エリアでは14円台を提示している事業者もあります。手続きは売電先の切り替えだけで、設備の工事は不要です。
ここは最も手軽に効く部分なので、卒FITを迎えたらまず単価を比較してみてください。年間4,000kWhを売っているご家庭なら、8.5円と12円の差は年間で約1.4万円になります。
売るより、使ったほうが得になる理由
比べるべきは「売電単価」と「買電単価」です。
買う電気は、いま1kWhあたり30円前後です。売る電気は8円前後。同じ1kWhでも、売れば8円、自分で使えば30円分の支払いを減らせる。差は3倍以上あります。
これが「卒FIT後は蓄電池」と言われる理由です。昼につくった電気を売らずに貯めておき、夜に使う。それだけで1kWhあたり20円強の差が生まれます。
ただし、全員に当てはまるわけではない
蓄電池は安い買い物ではありません。差額が20円だとしても、年間で自家消費に回せる量が少なければ回収に時間がかかります。
判断材料は次の3つです。
- いま何kWh売っているか(検針票または売電明細で分かります)
- 夜間にどれくらい使っているか(貯めても使い切れなければ意味がありません)
- 既設のパワーコンディショナが何年目か(寿命は10〜15年程度。交換時期が近いなら、蓄電池と同時に検討したほうが工事費が一度で済みます)
売電量が少なく、日中に在宅していて自家消費率が高いご家庭は、蓄電池を足しても差額が生まれにくいことがあります。その場合は素直に売電先の切り替えだけで十分です。
設備そのものは、まだ動く
誤解されやすい点ですが、10年経ったからといって発電が止まるわけではありません。パネルの出力保証は20〜25年で設定されているものが多く、実際にはそれ以降も発電します。
卒FITは「設備の寿命」ではなく「制度の期限」です。慌てて設備を入れ替える必要はありません。
まずやること
- 直近1年の売電量と買電量を確認する
- いまの売電単価と、他社の単価を比べる
- パワーコンディショナの設置年を確認する
この3つが分かれば、蓄電池を足す価値があるかどうかは概算できます。ご相談いただければ、こちらで試算してお見せします。設置をおすすめできない結果になれば、その理由と一緒にそう申し上げます。
買取単価は各社の判断で改定されます。本記事は2026年9月時点で公開されている情報をもとにしています。契約前に必ず各社の公式サイトで最新の単価と条件をご確認ください。